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ローカル通信vol.22|藤岡で活躍するプロフェッショナル対談(中編)|諏訪神社 宮司 篠宮剛様×関口廣建設㈱代表取締役 関口 貴久

藤岡市で活躍する プロフェッショナル対談 中編

12月発行の「ローカル通信vol.22」に掲載の対談内容の詳細、中編になります。前編はこちら

 

対談 諏訪神社 宮司 篠宮 剛様 × 関口廣建設株式会社 代表取締役 関口 貴久

 

『危機感を持って』

 

[関口] 建設業と神事ってすごく密接に関わってるなと。建設で言えば地鎮祭があって上棟式があって竣工があって。逆に神社で言うなら、さっきの伊勢神宮の式年遷宮の御柱だって柱を建ててるって、建設にも関わるのかな?それが7年、6年、20年の関わりってどのように感じていますか?

[篠宮] 人が住む家なんですけども、ただ人が住むだけではないですよね。新年には年神様という神様をを迎えるために綺麗にしておいて、その他ご先祖様をお墓からお招きしてお帰りいただくお彼岸やお盆などの行事もある。そういった方々の御霊をお祀りする場であるためにも「この場所に家を建てますよ」という報告してお祓いをする地鎮祭は大切です。竣工祭というのは、建てた家が末永く堅固で、家に住んでいる人や神様が、幸せで豊かでありますようにとお祈りする儀式なんですよね。

[関口] なるほど。伊勢の式年遷宮はなんで建物を20年に一度建て替えていくの?

[篠宮] あれはいろいろあるみたいなんですけれども、ひとつには技術の伝承と言われています。

[関口] なるほど。

[篠宮] 人の手で師匠から弟子へと指導していく年月、あとは社殿の耐用年数など考えて20年がベスト。

[関口] 普通の家はもうちょっと平気だってことね(笑い) 世代間を考えると確かにそうですよね。御柱はなんだろうね?

[篠宮] 御柱祭りは6年、7年毎に行われます。諏訪大社というのは、上社が二社、下社二社、御柱自体は一社に付き4本建てるので、全部で16本ですよね。天下泰平と国家の安泰を祈るお祭りです。

[関口] 話変わるけど、八ヶ岳からもこの柱がないんだってね。あの太さがなくて、佐久から持ってきてるっていってたよ。

[篠宮] そういう資材となる木なんかを育てていくっていう事は大事です。伊勢神宮は式年遷宮を続けていけるように植林地を設けているんですよね。

[関口] 育てているんだ。材料からっていうこと?考えているサイクルが企業のサイクルと違うよね。

[篠宮] でもそれってすごく一般の社会でも通じるようなところがあって、木を切る仕事があったり、建物を建てる社っていうのも出てくるわけですよね。そこに働いて生活していけるようなシステムが出来ているというのが現代にも通じているような気がします。

 

[関口] 昨年から宮司になった?

[篠宮] はい、そうですね。

[関口] それまでは何だったの?

[篠宮] 宮司さんがひとり、祢宜(ねぎ)がひとり、権禰宜(ごんねぎ)は何人いてもいいことになっています。

[関口] 宮司になったこの一年で変えたこととか、意識としてしてここは、と思ったことはありますか?

[篠宮] 変えたところはやっぱり人が集まりやすい場所作りですかね。昔の神社というと、お年寄りがいて、人が来ると怪訝そうな顔で出て行って、暗いイメージが私の中ではずっとあったんです。神社の顔である玄関だとかをもう少し開放的にしたりして、人が集まるところはやっぱり人が寄ってきますから。

[関口] 建設業もそう。昔で言うなら官庁かというくらい堅い感じの  イメージで、やるのは公共工事。入りやすいように、まだ入りにくいけど、でもそういうのはすごく気になりますよね。人が集まらない限りはねなにも始まらない。

[篠宮] そうですね。

[関口] この間、会社でイベントをしたんですよ。

[篠宮] 伺いたかったんですけど、どうしても土曜日日曜日は・・・とても抜けられる感じじゃなくて。今というよりも私がこう、神主っていうのも資格が必要な仕事なので。

[関口] どんな資格ですか?

[篠宮] 階位が5段階あって、直階(ちょっかい)、権正階(ごんせいかい)、正階(せいかい)、浄階(じょうかい)、明階(めいかい)、とかいろいろあるんですけどそういうのを持っていて。

[関口] 神社庁ってやつ?

[篠宮] そうですね。資格を取りに行っている時に知り合った人がいて、そのひとが務めている神社が埼玉にあるんですけど、そこの宮司さんのところに遊びに行った時に、今一番日本人に必要だと思う?と言われて、学生上がりでふらふらしている考えだったのでわからないです、ぐらいの感じでいたんですけど、危機感なんだっていう風に言うんですよね。今になってその言葉がすごく自分の中でウェイトを占めています。それは山名八幡宮の存在があったり、於菊稲荷神社(おきくいなりじんじゃ)があったり、10分15分車を走らせれば行けて、知られている神社があるというのはすごく頑張らなければならない。もっと人が、地域の人から地域外の人まで足を運んでもらえるよう、心が離れないように信頼を得ていく。宮司になって初めてそういう危機感を持つようになりました。

[関口] 危機感持ってる?

[篠宮] 持ってますね、昨日もそれでパッと目が覚めて寝られなくなってしまいました。

[関口] 変革は危機感ですからね。そこから行動に移っていくことが物事を変えることができる。

[篠宮] 焦りは見せないように、周りのひとには気付かれないようにしています。

前編はこちら<後編へ続く>

リンク 諏訪神社